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青春18きっぷ旅行記 2005年 〜 札幌発広島行

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第9章 岡山―宮島―広島 (9月7日その2)

 

山陽路を広島に向かって出発

岡山  13:56 → 14:30  笠岡  快速〔サンライナー〕

今日は松山泊まりの予定だったが、広島に泊まることにする。明日チェックインの予約をしてあった広島のビジネスホテルに電話をして、今日と明日の連泊に変更してもらう。料金はインターネット予約割引料金の2泊分でOKとなった。

 

岡山駅のコンコースを歩いていると、「不通となっていた松山方面の特急『しおかぜ』は、15:22から運転を再開します」と放送があった。四国で予讃線の開通を待って粘っていても、松山着は夜遅くになっていただろう。今日は夕方には広島に到着できる予定なので、観音寺駅での判断は正解だったといえる。

▲岡山駅地下改札口。

▲岡山駅ホーム。

▲快速サンライナー。

岡山は予想外の行程だったので、岡山での食べ物は調べてきていなかった。駅の地下街を歩いてみたが、とくに岡山らしいものも見つけられなかった。時間もないので、改札を通ってホームへ行く。

 

乗車するのは福山行の快速『サンライナー』。2人がけ前向きの座席の並ぶ車内は、昼過ぎの列車とあって車内はがら空き。これは駅弁を食べるのに丁度良いと、階段を登ったところにある売店で駅弁の『桃太郎の祭りずし』というのを買う。

座席で買ってきた駅弁を開ける。『桃太郎の祭りずし』という駅弁は、わりと有名なので知っていたが食べるのは初めてである。要するにちらし寿しで、ママカリの酢じめが一切れ載っているのが岡山らしい。

 

酢飯は西と東で味付けが違うのか、昆布だしがよく効いていて、また甘めである。東のはもう少し酢がきいていたような気がする。その代わり、酢でしめた魚はこれでもかというほど酢がきいている。

何と言うかこう、全体的に淡白というか薄味で、醤油をかけたくなるのだが・・・。良いとか悪いではなく、私は北海道の人間なので濃い味で育っているので、関西とか沖縄あたりの淡白な味付けは最初のうちは良いが、だんだん濃い味付けが恋しくなってくる。

▲岡山駅『桃太郎の祭りずし』。

▲瀬戸内の幸が色とりどり。

この列車は福山行きだが、途中の笠岡で岡山を先に出た普通列車に接続するのでここで乗り換えとなる。

 

山陽本線長距離普通列車と尾道ラーメン

笠岡  14:32 → 15:06  尾道  山陽本線・普通

笠岡で乗り継いだのは岡山を発車して山陽本線を延々と各駅停車で走り、下関まで行く普通列車である。広島付近では快速になるが、岡山から下関までの距離は360キロ以上、6時間37分かけて走行する。東京からなら名古屋や仙台までの距離に匹敵する。

京阪神の新快速もそうだが、山陽本線は長距離を走りぬける普通列車が多く、しかも車両も転換クロスシートが標準となっている。通しで乗る客など青春18族くらいのものだが、まさかそのために走らせているわけではあるまい。

 

台風接近のため多くの高校が休校になり、途中駅で学生も乗ってこないので車内は空いたままだ。台風一過で青空の下、昼下がりの山陽路を列車は順調に走る。

所々で、新幹線の高架が平行して『のぞみ』号が追い抜いて走り去って行くが、新幹線よりこっちの方がずっと良い。福山駅の手前で福山城の天守閣が見えるが、新幹線の高架が覆いかぶさって見えなくなった。

 

松永を過ぎて尾道が近くなると、しまなみ海道の尾道大橋と陽の光が反射する海が見えた。尾道と言えば尾道ラーメンである。こんな機会でも無いと尾道へ行くことはまずないだろう。尾道で途中下車してみたくなった。

▲山を背後にした尾道駅。

▲明るい尾道駅前の様子。

尾道駅の改札口を通り駅前に出ると、潮風と陽射しが心地よい。駅のすぐ前に海があり、古そうな駅舎の背後には坂の街らしく、山の斜面に家々が張り付いて、その頂点には城がそびえ建つ。

駅前から見える海の対岸が向島という島で、本土と島が近い距離で向き合うので川のようにも見える。尾道から島づたいに渡る瀬戸内しまなみ海道で四国の今治まで行けるようになった。

 

さて、尾道ラーメンである。駅前にあるラーメン屋は昼休みなのか閉まったまま。駅の横にもあるのだが、こちらは駅の立ち食いうどん屋で、敬遠する。どこに行けば良いのか見当もつかないので、駅の横にあったビルの書店で観光雑誌を見てラーメン屋をさがす。駅の近くに1軒見つけたので歩いて行ってみる。

 

「のどかさや 小山つづきに 塔二つ」    子規

▲尾道水道と連絡船乗り場。

▲連絡船から出てくる車の列。

▲裏通りの様子。

のどかな海岸沿いを歩いていると、対岸の向島とを結ぶ連絡船の桟橋がいくつかある。連絡船が着くとゾロゾロと船から車が出てくる。対岸とは橋でもつながっているが、尾道へは遠回りになるし有料道路なので連絡船の需要もあるようだ。ちょっと回り道して細い路地裏を通ってみたりする。雑誌で見た店の前まで来たが、定休日なのかこちらも閉まっていた。仕方なく駅に戻る。

 

どこもやっていないので、何がなんでも尾道ラーメンが食べたくなった。さっき敬遠した駅の横の店に入る。「尾道ラーメン 450円」の食券を機械で買い、テーブルにつく。テーブル席とカウンターがあって、カウンター席の一部分はホーム側の入口に面していて、そことは仕切られて当然行き来は出来ない。

 

出てきたラーメンはたいした期待もしていなかったが、これが意外とおいしかった。醤油色の濃い少し甘めのスープで、魚のだしが効いている。表面には背脂が浮いて、具はメンマとチャーシューのみ。尾道ラーメン自体は食べるのが初めてなので比較のしようがないのだが、450円にしてはまずまずだと思う。尾道でラーメンを食べられたことに満足する。

▲駅で食べた450円の尾道ラーメン。

▲名物尾道ラーメンの看板が目立つ。

▲尾道駅ホームから見る城。本物ではない。

尾道は坂のまち。こういうまちは好きで、また今度時間があればゆっくり歩いて見たいと思う。

 

全国唯一のJR航路で宮島へ

尾道  16:06  →  17:52  宮島口  快速〔シティライナー〕

観光地だけあって土産物が豊富においてある駅の売店をのぞいているとあっという間に列車の時間になる。急いで改札口を通りホームに出ると、「新山口行は6分遅れで東尾道をでました」とアナウンスがあった。

ホームから見える山の頂上に尾道城が建つが、これは全くの観光城で、歴史上ここに城があったわけではないが、それでも絵になる風景だ。

 

やってきた新山口行はこんどはボックスシートである。尾道を発車すると糸崎までは瀬戸内の海岸沿いを走る。通路の反対側のボックスには女性の4人連れ旅行者が乗っていて、携帯電話のカメラで写真を撮っていた。この辺の高校は休校にはならなかったのか高校生が多い。それでも彼らは停車駅ごとに下車して行き、再び車内は空いてくる。

 

瀬野からは岩国まで快速『シティライナー』となり、瀬野の次は広島まで停まらない。

 

広島に到着して、ほとんどの乗客が入れ替わる。通路の反対側の女性4人連れも広島で降りていった。ちょうど帰宅ラッシュの時刻なので、広島駅のホームは行列ができている。

本当はここで降りるはずだったのだが、この普通列車がすっかり気に入ってしまい、もう少し乗っていたい。どうしようか迷っているうちに列車は発車した。

 

横川、西広島とかなり乗ってきて車内は満席になったが、立つ人は少ない。随分とのんびりした夕方の列車という感じ。

いつまで乗っていてもキリがないし、今日は広島泊まりと決まっているので、宮島口で下車する。宮島口とは駅名の通り、宮島への連絡船はここから出ている。

▲学生が多かった尾道駅。

▲台風一過の山陽路を順調に進む。

▲宮島連絡船乗換えの宮島口駅。

 

宮島口駅を出ると、宮島航路の桟橋は目と鼻の先に見えるのだが、途中に横切る国道2号線との交差点は横断歩道が無く階段を上り下りして地下道を通らなければならないので面倒だ。広い道路ではないので、ついつい柵をまたいで道路を直接横断したくなるが、この道路は交通量が多く、またこの赤信号が馬鹿みたく長いので、おとなしく地下道を通ったほうが無難である。

宮島口  18:10  →  18:20  宮島  宮島航路

桟橋に着くとちょうど17:55発の船が出港したあとだった。次の船は18:10発。

この宮島航路はJR西日本の経営で、青函・宇高航路が廃止になった今では全国唯一のJR航路であり、鉄道路線と同じ扱いになっている。時刻表の索引地図にある『JR航路』はこの宮島航路のために今でも存在する。青春18きっぷのご案内にも「普通列車の普通車自由席及び宮島航路がご利用できます」と書いてある。

 

しばらくして宮島からの連絡船が到着する。船から数台の車が出てきて、そのあと乗船客が降りてきた。入れ替わりにこちらも乗船する。改札口は無く、フリーパスとなっている。

地元の通勤通学客のほか数人の旅行者を乗せて船は出港する。外の甲板に立って景色を見ているのは我々旅行者のみ。波は全く無く、穏やかな夕焼けの瀬戸内海。対岸の赤い大鳥居が徐々に近づいてくる。わずか10分で宮島桟橋に着く。    

▲出港する連絡船。

▲大鳥居が近づいてくると、もうすぐ宮島桟橋。

▲参道には台風の爪あとも。鹿よお前ゆうべはどこにいた。

青春18きっぷを見せて改札を出る。宮島駅は現在はJR西日本宮島営業所ということになっているが、扱いは鉄道の駅と同じで、線路は無いが「停車場」である。改札口があり乗車券の券売機が並んでいるところなど駅そのものに見える。

 

すっかり日は落ちてしまったが、夕暮れの参道を厳島神社まで歩く。参道にはみやげ物屋とかカキやあなごを焼いている店が並ぶが、どこもシャッターが降りて店じまいしている。昨夜の台風14号の被害があったのか、あちこちには土のうが積んである。人通りの無い参道を鹿がウロウロと歩き回っている。

▲台風対策でシートをかぶったままの厳島神社。

▲夕暮れの大鳥居。宮島で。

大鳥居は干潮のため根元まで地面が現れている。厳島神社は昨夜の台風14号に備えてシートをかぶせたままだった。宮島は前にも来たことがあるし、暗くなってきたので写真だけ撮って急いで駅に引き返す。

宮島  18:45  →  18:55  宮島口  東海道本線・新快速

宮島駅の改札口で青春18きっぷを見せると駅員は「お帰りなさい」と言った。長い通路を通り、乗船するとすぐに出港する。帰りの船は団体さんが乗っていて幾分かにぎやかである。

 

乗船時間たった10分の短い航路だが、そこはやはり連絡船で、だんだん離れて行く宮島の灯りを見ていると感慨深いものがある。今回の旅もだんだん終わりに近づいて来た。青春18きっぷも5回分、今日で終了である。デッキに立っていると寒いので客室に入る。

台風で予定が変更になったのか、添乗員が船内に散らばっている団体の客に説明して回っている。あちらは大変そうだ。

▲宮島駅は線路は無いが鉄道の駅と変わらない。

▲夕闇迫る宮島をあとにする。

▲宮島駅ホームで輝く三日月と金星。

船はあっという間に宮島口桟橋に着く。そこから歩いて宮島口駅へ。次の列車は19:15発広行で、広とは広島ではなく呉線の駅である。

改札を通るとホームの上に三日月と金星が並んで輝いていた。

宮島口  19:15  →  19:44  広島  山陽本線・普通

広島駅       →        胡町  路面電車(広島電鉄)

広行の列車はロングシートばかりの車両であった。東京や大阪の電車と言えばかつてはほとんどがこの103系と呼ばれる車両だったが、今では東京ではもう見ることは少なくなったが、地方にお下がりとなった車両は結構あるようだ。天井にはブンブンと音を立てて回るデカい扇風機も健在であった。

 

広島に到着し、改札口を出ると、青春18きっぷ5日間の旅はこれで終了。予約してあったビジネスホテルに向かう。

駅の地下で、タコの天ぷらとビールを買い、駅前から路面電車に乗る。乗り場のところに電車の1日乗車券の券売機があったので、明日使う分を今のうちに買う。

 

ホテルは前にも宿泊したことがあるので道はわかっている。胡町(えびすちょう)で電車を降り、歓楽街の流川通りを客引きを振り払いながら歩くと、そのホテルがあった。

明日は広電の路面電車に乗って1日広島観光をするつもりでいる。

 

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