旅行

青春18きっぷ旅行記 2005年 〜 札幌発広島行

第1章 第2章 第3章 第4章 | 第5章 | 第6章 第7章 第8章 第9章 |・・・・・・ | ホーム

第5章 鎌倉―都電―新宿 (9月5日その2)

 

雨降りの鎌倉とサンマーメン

鎌倉  11:12 → 11:17  長谷  江ノ島電鉄

鎌倉で横須賀線の電車を降りる。鎌倉の駅近くを散策しようかと歩き出した途端に雨が降り出した。すぐに止むかと思ったが、雨はだんだん強くなる一方で、仕方なくそばにあったドラッグストアーでビニール傘を買う。

 駅に戻り、江ノ電に乗ることにする。とりあえず長谷までの切符を買う。改札からホームまで弁当屋などが数軒並んでいて、ウナギ屋が蒲焼のいい香りを漂わせている。

▲鎌倉に到着。

▲鎌倉・小町通り。

▲江ノ電の鎌倉駅。

 ホームは屋根がついているので濡れることはないし、電車に乗るのが目的だから降っても晴れても同じだが、やっぱり気分は暗くなる。しばらくして4両編成の電車が入ってきた。

 

 鎌倉を発車すると、家々の間を縫うように線路が敷かれているので、塀や家の軒先をかすめるように電車は走る。鎌倉を発車して5分ほどで長谷に着く。土砂降りだし、このまままっすぐ乗っていこうかとも思ったが、やっぱり下車してみる。 

 

長谷は有名な鎌倉大仏や長谷観音の最寄駅。さすがに観光客の姿も多数見受けられる。駅前には観光の人力車も停まっていて、雨降りの中、商売に励んでいる。

 

「山あれば山を観る

雨の日は雨を聴く
春夏秋冬
あしたもよろし

ゆふべもよろし」     山頭火

 

鎌倉は雨が似合うと思う。雑木林に囲まれた寺や古い家々、苔むした石垣など雨に濡れて、かげりのある情緒をさらに増している。しかし今日は降りすぎ。歩いているうちに足元が濡れてきた。長谷寺の山門まで来たが、これ以上歩いていると、ずぶ濡れになりそうなので駅に引き返す。

▲雨に煙る長谷寺の山門。

▲ノスタルジックな長谷駅ホーム。

 

長谷  11:29 → 11:48  江ノ島 江ノ島電鉄

長谷駅で今度は江ノ島までの切符を買い、ちょうどやってきた藤沢行の電車に乗る。稲村ヶ崎では電車は海岸沿いに出る。台風のせいなのか波が異様に高い。腰越からは路面区間を走る。狭い道路の両側は商店が並び、路上駐車が多い。電車は警笛を鳴らしながら道路を走り、江ノ島に着く。ここで下車する。

さっき電車の窓から『サンマーメン』の看板が見え、ちょっと気になったので今通った電車道を歩いてたどってみる。雨も少し小降りになったようだ。

▲狭い道を走りぬける電車。

▲雨に濡れて趣のあるレトロ調の駅舎。

サンマーメンとは神奈川県に存在するラーメンで、存在は知っていたが食べたことは無い。ネーミングにも惹かれ、一度食べてみたいと思っていたのでちょうど良かった。

江ノ電の電車道にでっかく『サンマーメン』の看板を出した店があった。『ねむら』という食堂で、まだ昼には少し早いが、朝食がまだだったので店に入る。テーブル席と小上がりのある普通の食堂で、メニューを見ると定食ものが中心のようだ。それでもサンマーメンが一番大きく表示してる。サンマーメンは漢字で『生鳴麺』と書いてある。

 

さてサンマーメンであるが、正油味のラーメンに、もやし・白菜など野菜の塩味のアンカケがのっている。見た目はボリュームがあるが、意外とあっさりとしている。当然ながらサンマは入っていない。サンマーとは野菜のアンカケのことなのか、旅から帰ったら調べてみることにする。

名前のインパクトでは超一級のB級グルメになるだろう。

▲江ノ電の電車道にある『ねむら』。

▲サンマーメンは漢字で生鳴麺と書くらしい。

▲塩味の野菜あんかけのラーメン。サンマは入っていない。

 

片瀬江ノ島13:04 13:09 藤沢  急行(小田急江ノ島線)

藤沢    13:24 → 14:11 新宿  湘南新宿ライン・特別快速

狭い道路の真ん中を、電車がゴロゴロと音をたてて通過して行く。電車道の方から見ると電車は相当な迫力がある。

また江ノ島駅に戻る。せっかくだから江ノ島の方も行ってみよう。江ノ電の江ノ島駅から江ノ島までは少しはなれていて、普通の住宅地の中の道を5分ほど歩く。右側に竜宮城のような小田急の片瀬江ノ島駅があり、そこから江ノ島へは橋が通じている。

 

海水浴シーズンもとっくに終わり、人影はほとんど無い。海岸には白い高波が容赦なく押し寄せるが、そんな荒れた海の中に人影が多数あり、見ると嵐の中サーフィンの真っ最中なのであった。

▲高波にもサーファーはめげず。

▲竜宮城のような小田急片瀬江ノ島駅。

小降りになったものの雨は全く止みそうになく、東京に戻ることにした。片瀬江ノ島駅が江ノ島からもっとも近い駅で、竜宮城を模した駅舎があるのですぐわかる。ここから小田急の電車で藤沢へ出ることにする。ホームに停まっていた電車は急行新宿行で、このまま乗っていれば新宿まで直通で行けるのだが、青春18きっぷを持っているので藤沢でJR東海道線に乗換える。

藤沢から乗った電車は湘南新宿ラインの高崎行で、東京駅へは行かず東海道線から新宿経由で高崎線へ乗り入れる。

東京はどこに行こうかと、いや横浜で降りてもいいかな、などと考え込んでいたらいつの間にか眠ってしまった。眼が覚めたらちょうど渋谷に停まっているところだった。

▲片瀬江ノ島駅

▲藤沢からは湘南新宿ライン。

▲発車メロディが鉄腕アトムの歌の高田馬場駅。

そうだ、都電に乗ってみようと、思いつく。都電荒川線は早稲田から三ノ輪橋までをむすぶ路線で、大都会の街中を1両の電車が走りぬける姿が面白くて好きだ。早稲田はどうやって行くんだったかと地下鉄の路線図を見ると、高田馬場から東西線で1駅とある。

藤沢から乗ってきた電車は新宿で降りる。

 

都電荒川線に揺られ

新宿       →       高田馬場 山手線

面影橋     →       三ノ輪橋 (都電荒川線)

三ノ輪橋    →       大塚駅前 (都電荒川線)

新宿から山手線の電車に乗ると、ドアの上の所に液晶のモニターが2つあって、ひとつは停車駅案内、もうひとつは広告を映していた。そこまでしなくてもと思うが、最近は液晶やLEDの技術が進歩して、専用の表示機を取り付けるよりこちらの方が安上がりなのかもしれない。

 

2つ目の高田馬場で下車する。駅の地図で確認すると、都電の電停までは歩いて行けそうなので、しっかりと道を記憶してから歩き出す。商店街でも住宅地でもなく、雑居ビルが建ち並んだ雑然とした街の中をしばらく歩くと、都電の線路が見えてきた。線路に沿ってしばらく歩くと、面影橋という電停があり、そこで電車を待つ。そういえば都電は運賃先払いだと思い出し、財布から160円を出しておく。

▲東京にただ1路線残る都電荒川線。面影橋。

▲終点三ノ輪橋はいかにも下町らしい。

一番前の入口から乗り、料金箱に160円を投入して奥に進む。慣れないシステムなので何となく違和感を覚える。発車するとき「チンチーン」と2回ベルが鳴る。昔は車掌が発車合図でベルを2回鳴らしたのが『チンチン電車』の由来とされている。この電車はワンマンだが、客に発車しますと知らせるために、発車時に自動的に鳴るようになっている。どういうわけか降車ボタンの音はブザーで「チーン」ではなかった。

 

終点三ノ輪橋まで乗り通す。三ノ輪橋の電停付近は商店街になっている。賑やかそうなアーケードの通りがあったので歩いてみる。八百屋や魚屋や惣菜屋が並ぶいかにも下町といった商店街だ。夕方なので人通りは多いが、シャッターの閉まったままの店舗も多くあり、いまひとつ元気がないようだった。

▲東京下町の商店街。三ノ輪橋。

▲すれ違った町屋駅前行の電車。

▲軌道内に容赦なく車が押し寄せる路面区間。

三ノ輪橋から再び都電に乗って引き返す。座席はふさがっていたので、最後部の運転台横のスペースに立ち、後方からの景色を眺める。

基本的には専用軌道を走るが、スピードはそんなに無くて最高でも時速40キロくらい。途中で路面区間も走るが、車道とは分離帯でしっかり区切られている。王子駅前からの1駅間は道路上を走り、正真正銘の路面電車となるが、見事に渋滞に巻き込まれるが、再び専用軌道になると順調に走り出す。大塚駅前で下車して、ここから山手線に乗換える。

 

渋谷のB級グルメ

大塚    →    渋谷   山手線

渋谷    →    新宿   山手線

青春18きっぷを使っていて一番不便に思うことは、自動改札機を通れないということだ。改札口を通るたびに有人通路を通らねばならず、しかも機械化の進んだ現在は、ただ1箇所の有人通路が精算所と案内所を兼ねているのがほとんどなので、すんなりと改札を通れないことが多いのだ。長い先客を待って、やっと大塚駅の改札を通り抜ける。

東京へ行ったら、一度食べてみたいものがあったので、その店を目指して渋谷へ向かう。

そろそろ夕方のラッシュである。池袋から車内はだいぶ混雑してきた。

 

渋谷駅前は雨のせいか、いつもより人は少ないようであった。というか、常に人がワンサカといるのに慣れてしまってこの程度の人ごみは何とも思わなくなってしまった。

▲都電と山手線が接続する大塚駅。

▲渋谷・道玄坂にある『ひげちょう』。

▲ゼラチン質たっぷりの魯肉(ルーロウ)飯とパーコー

渋谷に来たのは『魯肉飯(るうろうはん)』なるものを食べるためで、『ひげちょう』という店にはいる。『魯肉飯』とは豚のホホ肉を煮込んだ、台湾風かけご飯である。セットメニューがあったので、魯肉飯と排骨(パーコー)のセットになった『ひげちょうお肉セット』にする。

 

早速、魯肉飯を口にしてみると、よく煮込んだ肉はトロッと溶けてしまうようなゼラチン質であり、その下はコクのある肉汁がしみこんだご飯。少々香料がきつい日本離れした風味は気になるところだが、そこがまたクセになりそうでもある。

排骨とは、台湾式豚肉のカツレツ。肉は脂身まで柔らかくて味がしみこみ、これだけで相当なボリュームがある。

これに竹の子とザーサイの炒め物が付いて750円だった。

▲渋谷の待合わせ場所といえば「忠犬ハチ公」。

▲渋谷は坂の街。雨降りの道玄坂。

渋谷の街をぶらぶらとしながら渋谷駅へと向かう。スクランブル交差点を渡ると、ハチ公前広場に出る。おそらく日本一有名な待ち合わせ場所であろう『忠犬ハチ公』像は目立たないように小さくあった。週末など大変な人で、実際にここで待ち合わせするときは「ハチ公前のどこそこの階段の前」などと言われるらしい。

 

渋谷からは山手線で新宿へ。今日の宿は、歌舞伎町にあるカプセルホテルである。

夜遅く着いて朝早く出るので、カプセルで十分だ。ここは以前にも泊ったことがあるが、今回は朝食付きプランで2500円ナリ。大浴場も清潔で、小さいながらも露天風呂があり、入ってみる。新宿の高層ビルを眺めながらお湯につかる、というのも妙な感じだった。

▲渋谷駅前の交差点。

▲新島のモヤイ像。渋谷駅前。

▲夜の新宿駅西口の雑踏。

テレビのニュースで、鹿児島の暴風雨の映像が映し出されていた。大型台風14号が西日本に接近し、明日は九州に、明後日は中国・四国地方に上陸と報じている。

明日は東海道線を乗り継いで神戸まで行き、そこからフェリーで四国に渡る予定でいるのだが、このままでは台風直撃を食らってしまう。台風の進路予想など100%アテになるわけでない。前途多難だが、とりあえずは予定通り進むことにする。

 

< 第4章 新宿―つくば―鎌倉

第6章 新宿―東京―名古屋 ≫

ホームページへ