旅行

青春18きっぷ旅行記 2005年 〜 札幌発広島行

第1章 第2章 | 第3章 | 第4章 第5章 第6章 第7章 第8章 第9章 1011ホーム

第3章 象潟―新潟―新宿 (9月4日その2)

 

名勝象潟と『きらきらうえつ』号

象潟  15:22 → 18:31  新潟 快速〔きらきらうえつ〕

 

▲道端には奥の細道の標柱が立つ。

▲松尾芭蕉像。

象潟は、松尾芭蕉の奥の細道最北の地ということで、いろいろゆかりの名所がある。案内所で貰った『象潟さんぽみち』というルートマップを片手に歩く。芭蕉が宿泊した宿跡など名所らしいが、道端に看板が立つだけで、普通の静かな住宅地である。

町を通り抜けて、踏切を渡ったところが蚶満寺で、ここには松尾芭蕉の像が建っていた。

ここから天然記念物・九十九島の散策路となっている。田んぼの中のあちこちに盛り上がった小さい丘が見える。ここは芭蕉が訪れた当時は、松島のように海の中に数々の島が浮かぶ美しいところであったが、のちに大地震で隆起したため一転して陸地になったという。

黄金色に実った穂波の中にぽっかりと小島がうかぶ様もなかなか絵になる。散策路も途中から田んぼのあぜ道と区別つかなくなってきた。

 

歩き回っているうちにあっという間に時間が経ってしまった。列車の時間もあるし、今にも降り出しそうな気配になってきたので急いで駅に戻る。

 

「象潟や 雨に西施が ねぶの花」   芭蕉

▲穂波の中に浮かぶ九十九島。象潟。

▲カラフルな『きらきらうえつ』号。

象潟から乗るのは、快速『きらきらうえつ』号という週末に運転される全席指定の臨時列車である。ホームにはとても派手な塗装の電車が停まっている。4両編成で座席はすべてリクライニングシートになっていて、うち1両がフリースペースのラウンジ車両となっている。スピードも車内設備も特急並みだが、快速列車なので指定券さえ買えば青春18きっぷでも乗れる。売店と車内販売もあるが、これは酒田から乗るとのことだった。

▲『きらきらうえつ』号。ラウンジカーはフリースペース。

▲特急以上に快適な車内。

▲ラウンジカーにある売店。駅弁や地酒を販売。

発車すると雨が本格的に降り出す。象潟から乗る人は少なく車内はがら空きである。車窓の日本海も暗く、明るい車内だがわびしさが漂う。それでも酒田・鶴岡とたくさん乗ってきて、車内はにぎやかになる。

売店が営業を始めたので弁当を買いに行く。ラウンジカーも売店もなかなかの盛況。売店ではいろいろな地酒をカップに注いで売っている。青森を出てから食事をしていなかったので、駅弁とお酒を買う。駅弁は新発田駅の『佐渡朱鷺めき弁当』、お酒は『大洋盛』というのを飲んでみる。

明るいうちからお酒を飲んで豪華な幕の内弁当をつついていると、青春18きっぷの旅ということをすっかり忘れてしまっていた。

 

観光列車らしく、停車駅の車内放送も、「次は、集落の趣きと杉林の美しいまち府屋に停まります」、「名勝笹川流れと自然美豊かな桑川に停まります」という具合に停車駅の簡単な町の紹介も沿えられている。

▲『エチゴビール』は全国第1号地ビール。小さいおつまみ付き。

▲『佐渡朱鷺めき弁当』と地酒『大洋盛』。

▲1日が終わり、車窓にも夕闇が迫る。

桑川あたりから天気は次第に回復してきた。村上の手前で交直セクションを通過するため、一瞬車内がうす暗くなる。坂町を過ぎたあたりからだんだん暗くなる。

「水の都・新潟終点です」と車内放送が入るころには、すっかり暗くなっていた。乗客の多くは新潟で新幹線に乗り継ぐようだ。

青森から、快適な列車ばかりだったので、疲れも少なく楽しい1日だった。

▲新潟に到着。新幹線に乗り継ぐ人が多い。

▲夜の新潟駅。

 

新潟名物『イタリアン』と『ムーンライトえちご』号

新潟  19:56 → 20:51  長岡 快速〔くびき野6号〕

長岡  20:53 → 22:08  新潟 信越本線・普通

新潟でぜひ食べたいと思っていたのが『イタリアン』なるものである。これも新潟県のみに存在するという有名なB級グルメで、駅の中に『みかづき』という店があるので行ってみる。

駅ビルにファーストフードが数軒並んでいるコーナーがあり、その1店が新潟県で展開している『みかづき』だ。席は高校生らしい客で混んでいる。注文したのはイタリアンにポテトとコーヒーがセットになった『イタリアンセット』で480円。

 

イタリアンは簡単に説明すると、モヤシやキャベツが入った焼きそばにスパゲテイのミートソースをかけたもの。食べてみるとこれが意外なほどマッチしている。焼きそばの麺はかなり太めで、ミートソースは甘めの味となっている。考えてみればそれぞれソース味とトマト味なので、味が衝突する理由などなく、それぞれ引き立て合っている感じがする。

このイタリアンも昭和30年代から新潟で食べられてきたというから、すでに新潟のソウルフードともいえよう。これを食べるためだけに、わざわざ新潟に行く価値があるかは何ともいえないが、新潟に行ったらまた何度でも食べたいと思った。

ただ難点が1つあり、みかづきは各店とも閉店時間が早く、ムーンライトえちごの列車待ち合わせには使えない。 

▲みかづきのイタリアンセット。

▲イタリアンは焼きそばとトマトソースの組み合わせ。

▲みかづきのある一角。

次は快速『ムーンライトえちご』号で一気に新宿まで行くのだが、まだ4時間近く時間がある。どうせ青春18きっぷを持っているのだし、列車に乗っていれば時間がつぶせるだろうということで、新潟から新井行快速『くびき野』に乗ってみる。これも快速ながら、特急型の車両が使われ、車内の座席間隔も拡げられたデラックス編成だ。

 

長岡には20:51着。ここで降りてすぐに折り返しの普通列車に乗り、新潟にもどる。20:53発なのだが、直江津からの普通列車が遅れて、その接続待ちで発車は21:08分となった。

▲デラックス車両の快速くびき野。

▲座席間隔も拡げられてゆったりとしている。

▲1時間近くで長岡へ。ここから新潟にとんぼ返り。

 

新潟  23:35 →  5:10  新宿 快速〔ムーンライトえちご〕

新宿行『ムーンライトえちご』は、新潟駅の3番線から発車する。ホームに行くと3番線には、大阪行急行『きたぐに』が入線していた。この列車が、新潟と大阪を直通で結ぶ唯一の列車なのだが、あまり客は乗っていないまま発車する。

 

『きたぐに』が出たあと、ホームにはムーンライトえちごの乗客がだんだん集まってくる。ホームの売店もそば屋もすでに閉まっており、列車を待つ時間が長く感じられる。

 

23:17になって、3番線にようやくムーンライトえちごが入ってきた。この車両が、いまや無くなったと思っていたクリームと赤色ツートンカラー国鉄時代の旧塗装である。大館でも見たが、最近旧型車両をもとの塗装に戻すのが流行っているのだろうか。しかし、古い列車は、もとのデザインが一番似合っているような気がする。先頭車両のデザインも機能的で古さは全く感じなかった。

むしろJR化後にリニューアルされた新しい塗装の方が逆に泥臭いデザインに見えたりするのだが。

▲ムーンライトえちごを待つ人々。新潟駅。

▲満席のムーンライトえちご車内。

ムーンライトえちご号は本日満席とのこと。自分の指定された席も通路側のC席である。普通は、通路側の指定席が出てきた時はガッカリするが、座席の夜行列車に関しては実は通路側の方が快適だったりする。通路の方に足を伸ばせるし、トイレや洗面所に立つときも隣人に気兼ねすることが全くないからだ。

 

車内は意外にも中高年の人たちが多い。登山帰りなのか網棚の上はリュックサックがたくさん載っている。

昨日の寝不足と、やっぱり疲れているのか、発車すると速効で眠ってしまう。1時ごろ、長岡を発車したあたりだろうか、車内改札で起こされる。きっぷを見せて、青春18きっぷに日付印を押してもらい、またすぐに眠ってしまう。目覚めると大宮の駅名票が見えた。

 

昔は夜行列車の旅は眠れなくて困ったものだが、今ではすっかりそんなこともなく、どこでも眠れるようになった。旅慣れたからというよりは、トシなのかなぁと思う今日この頃であった。

 

大宮の次は池袋。以前は赤羽にも停まり、そこで京浜東北線に乗換えて東京駅でダッシュすれば東海道線の1番電車に乗り継げたのだが、そんな芸当も、赤羽通過となった今では不可能である。

 

5:10、新宿到着。列車から降りた人たちは、ヤレヤレといった感じであっという間にそれぞれに去っていってしまった。

▲国鉄時代の塗装が復活した。上の『くびき野』と同じ車両だがこちらの方が新しく思える。

▲ムーンライトえちごは上野ではなく新宿に到着する。

とりあえず今日は1日東京見物でもする予定なので、改札を出て荷物をコインロッカーに預ける。ロッカーの場所をしっかりとメモする。新宿駅だけは、あとでどこのロッカーに預けたか分からなくなってしまほど人が多い。

 

< 第2章 青森―秋田―象潟

第4章 新宿―つくば―鎌倉 ≫

ホームページへ