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青春18きっぷ旅行記 2005年 〜 札幌発広島行

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第2章 青森―秋田―象潟 (9月4日その1)

 

朝の奥羽線を気動車で南下

2回目 9月4日 

JR東日本 青森駅

青森  6:12 →  6:54  弘前 奥羽本線・普通

青森駅の朝は早い。まだ5時半前だが駅には人が多い。

青森駅の改札口はまだ自動改札ではなかった。改札ボックスが並び、その中に駅員が立つという昔ながらのスタイル。やはり人がいるのは安心感があって良い。北海道内の主要駅は全て自動改札化されてしまったが、東北地区はまだまだ有人の改札口が残る。5:35に、札幌からの急行『はまなす』が到着するが、そのまま特急に乗り継ぐ人が多いのか、改札口からはパラパラと人が出てきただけ。どの人も皆疲れきった表情をしている。

↑青森ベイブリッジがうしろに建つ青森駅。

▲青森駅は、いまや珍しくなったボックスの並ぶ改札口。

改札口で日付印を押してもらい、階段を登ってホームへ。既に弘前行の列車はホームに入っていた。隣の特急列車が発車する3・4番ホームには、立ち食いそば屋が営業していたので、そっちのホームに降りる。小さい店なのにわざわざ機械で食券を買わされるのは面倒だが、現金を手で扱わないので衛生的ともいえる。

食べたのは『めかぶそば』390円。熱いそばに、細かく切っためかぶとすりショウガがのっている。ヌメリとしてのどごしは良い。めかぶの風味とショウガも合う。

突然発車メロディーが鳴り響く。この音楽を聞くと、本州に来たと思う。

▲本州は青森駅から出発。

▲青森駅ホーム駅そば「めかぶそば」。

▲青森駅ホームのそば屋は早朝から営業している。

再び階段を登って弘前行の停まるホームへ。車両はオールロングシートの電車で、早朝にしては乗車率は良く、1/4ほどの座席が埋まって発車する。

 

この列車は弘前行だが、弘前で6分後発の鷹ノ巣行に接続する。もしかしてこの列車が弘前からそのまま鷹ノ巣行になるのではないか。そうしたら楽だなと思っていたら、弘前に到着するとき「鷹ノ巣行は向かいのホーム3番線から」と放送があったので、やっぱり違った。

弘前  7:00 →  7:45  大館 奥羽本線・普通

弘前で乗り継いだ鷹ノ巣行は、気動車2両編成で、どちらも国鉄時代の昭和40年代につくられた車両である。ボックス席にすわって時刻表をみると、列車番号が“D”になっていた。奥羽線の普通列車は全て電車ばかりになってしまったと思いこんでいたので列車番号までは調べていなかった。しかしこんな渋い車両がまだ走っていたとは。車内はリニューアルされて古さは全く感じない。出入り口のところには寒さ対策の簡易仕切りが設けられていた。

 

各ボックスがほぼふさがったくらいで弘前を発車する。

何度も通ったことのある路線だが、ボックス席に座ってながめる車窓は旅情があって違って見える。やはり気動車で、排気ガスの匂いが鼻をつく。

▲古めかしい気動車列車。

▲内装は近代的。簡易仕切りがついたので狭い印象。

▲鷹ノ巣行の行先標と車番。

▲花輪線が分岐する大館駅。ここもボックスの並ぶ有人改札。

▲大館駅構内には国鉄色の気動車が停まっていた。

 

 

 

 

 

 

しばしの旅情に浸りながら大館に着く。この列車はもう少し先の鷹ノ巣まで行くが、次の乗り継ぎ列車は大館で乗り換えになるので、ここで降りる。

大館  8:11 →  9:58  秋田 奥羽本線・快速

大館駅の構内の外れに、旧塗装の急行気動車が2両停まっていた。かつて急行列車といえばあの車両だったし、青春18旅行で何度も世話になった今は無き『快速ミッドナイト』の自由席も思い出す。懐かしい。

花輪線の列車らしいが、そうならば乗ってみたい。この先の予定を変更して花輪線・盛岡経由にしようかと時刻表をめくる。次の花輪線は、8:41発盛岡行というのがあるが、これは8:29に到着する盛岡からの列車が折り返しになる可能性が高く、あの車両は夕方まで留め置きかも知れない。予定通り秋田に向かうことにする。

 

大館駅の1番ホームには『ハチ公神社』なるものがあり、あの渋谷の忠犬ハチ公が祀られていた。立て札を読むと、大館が忠犬ハチ公の出生の地なのだそうだ。

▲大館駅1番ホームの『ハチ公神社』。

▲大館からはかつての急行よねしろ専用の車両。

▲快速だが特急顔負けの車内。

3両編成の8:11発の秋田行快速列車は、花輪線の鹿角花輪から来る列車で、前は急行『よねしろ』となっていたが、いつの間にか名無しの快速列車に格下げされた。快速格下げになってもダイヤも車両も従来どおりなので、急行料金不要のサービス列車といえる。

車内はリクライニングシートが並び、ヘタな特急列車より快適だ。

 

いつの間にか眠ってしまい、眼が覚めると八郎潟だった。停車駅ごとに乗ってきて、車内は立つ人も出てくる。

9:58、秋田に到着。

▲青森から約4時間で秋田に着いた。

▲千秋公園の堀。秋田。

 

秋田名物『ババヘラ』と701系電車

秋田 12:12 → 13:18 象潟 羽越本線・普通

次の列車は秋田12:12発。2時間以上時間があるので駅の外に出てみる。秋田新幹線ができて、駅はやたらと立派になった。駅前には大型スーパーが進出し、駅前なんてどこもかしこも似たような風景になってしまった。

 

それでも駅前が一番の繁華街となっているようで賑わっているが、アーケードのある通りを数分も歩くと人通りも途絶えてしまった。駅から10分近く歩いたところに、茶色い3階建ての木内デパートというのがあって、これが秋田の老舗らしいが、このあたりは人も少なくすっかり寂れてしまったようだ。向かいは千秋公園の堀がある。

 

千秋公園の入口のところに、ビーチパラソルを立てて座っているオバチャンがいる。もしかしてあれは秋田名物の『ババヘラ』売りでは!?近づいてみるとやっぱりそうだった。ババヘラを1個買って写真を撮らせてもらう。

オバチャンがずん胴の缶に詰まったアイスをヘラですくってはコーンに盛り、渡してくれる。売っているのはこのアイスのみで1個150円。ピンクと白の2色のアイスは、昔ながらのさっぱりしたシャーベットと言ったところ。素朴でアイスクリームとはまた違った味わいがあり、野外で食べると一段とおいしさが引き立つ。

 

ババヘラアイスとは秋田県のアイス売りで、国道沿いやイベント会場などにビーチパラソルを立てたアイス売りがいればそれだ。“ババ”がヘラで盛るから『ババヘラ』と言う。物は同じだが、ごく稀に『ジジヘラ』や、さらには『ギャルヘラ』なるものも出現するらしい。

▲千秋公園で見つけたババヘラ売り。

▲ババヘラアイス売りのオバチャン。

▲コーンに盛り付けた『ババヘラアイス』。チューリップのよう。

駅に戻るが、まだ列車の時刻まで1時間以上ある。駅の中にもデパートがあり、そこをブラブラしながら時間をつぶす。駅内のコンビニで『いぶりがっこ』の小袋があったので買ってみる。外は小雨がちらついてきたようだ。

 

12:12発酒田行普通列車は、秋田駅の売店もない薄暗い2番線ホームから発車する。ホームには駅弁販売のワゴンがあったが、売り子はどこへ消えたのか、発車まで結局現れなかった。もっともオールロングシートの列車相手じゃ、駅弁も売れるかどうかわからないが。

 

この電車は2両編成で、立つ人も数人いるくらい混んでいるが、駅ごとに降りて空席が目立つようになる。

秋田市内を過ぎたあたりから、家々の屋根がトタンより瓦ぶきの方が多くなってくる。北海道には瓦屋根は全く無いと言ってよく、青森もトタンの方が多い。瓦とトタンの境界線は秋田あたりなのだろうか。

▲秋田からは再び701系電車。

▲空いていればロングシートも快適なのだが。

▲象潟駅に到着。

ところでいま乗っている電車は701系と言われ、青春18きっぷで東北を通過すると、1日中この電車と付き合わされることになる。

この電車が走り始めたのはたしか1993年冬だったと思う。それまで客車列車だったのが一せいに電車に置き換わった。その年の正月に東北を旅行してこの電車に乗ったとき、驚いたのと慣れないロングシートの長時間乗車にうんざりした記憶がある。

しかし、何回も乗っていると、そう悪くはないのではと思えるようになった。空いていれば足も伸ばせるし、大きな窓から景色を楽しむことも出来る。向かいの席の人と、時々目が合って気まずい思いをすることも多々あるが。

 

さっき買った『いぶりがっこ』をひとつ食べてみる。これはタクアンの燻製だ。かなり衝撃的な味で、これはクセになるかも知れない。匂いがきつく、ビニール袋できっちり縛っておかないとバッグの中に匂いがついてしまう。このいぶりがっこは、この先、酒のツマミとして重宝されるのであった。

 

雨が降り出す。大きな窓から日本海が見えるが、どんよりとした暗い海が広がっている。台風14号が接近していると言うし、この先天気はどうなるのだろうか。

 

秋田から1時間、象潟(きさかた)で降りる。ここで臨時快速『きらきらうえつ』に乗り換える予定だが、発車時刻まで2時間以上あるので、改札を出る。雨は上がったようだが、いつでも降り出しそうな重苦しい空だ。駅の待合室にじっとしていてもしょうがないので、あちこち散策してこよう。待合室には観光案内所もあり、そこで町のパンフレットを貰う。

 

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