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青春18きっぷ旅行記 2005年 〜 札幌発広島行

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第11章 広島―札幌 (9月9日)

 

広島駅前の朝ラッシュ

おもえば普通列車、しかもほとんど昼間の列車だけ乗り継いで札幌から広島まで来てしまったのだから、我ながら物好きだと思う。長時間列車に乗っていても退屈に感じたことは無く、持ってきた本もほとんど読むことがなかった。

 

旅行中はほとんど車内で景色見ながら座ってばかりで、たまに途中下車してうまい物食べて、こんな楽な話は無いと思うのだが、他人に言わせるとそうでは無いらしい。

 

長かった旅行。泣いても笑っても今日が最終日。8時頃、ホテルをチェックアウトする。何かと安ぶしんを感じるホテルだったが、2泊で7560円だったので、よしとしよう。

 

朝の流川通りを胡町電停へ歩き、そこから広島駅行き電車に乗る。

ちょうど朝のラッシュだが紙屋町や八丁堀で大量下車したようで、車内は空いている。しかし電車は各方面から集中するので、猿猴橋町(えんこうばしちょう)から広島駅の手前まで入線を待つ電車が3台も4台もつながって待っているという状態。

急ぐ客はこの猿猴橋町で降りて駅まで歩く、という重要な役割がこの存在感の薄い電停にあったようだ。

 

駅に着くとここもラッシュアワー。JRの駅からは列車が到着するたびに人の波が押し寄せて、電車乗り場やバスターミナルに行列をつくる。

駅前の電車乗り場は3線あって、うち1線は比治山線専用。2線が市内線と宮島線の降車ホームになっている。電車は「ガシャガシャガシャ」と大きな音をたててポイントを渡って折り返し、乗車ホームで乗客を乗せて発車する。降車ホームの線路が開くとすかさず次の電車が「ガシャガシャ」と音をたてて入ってくる。その後ろにも入線を待つ電車が何台も待機している。

 

駅からはぞくぞくと人の波が押し寄せるが、3連結や5連結の電車はそれを吸い込むようにして次から次へと発車する。さすが100万都市の迫力は大変なものだ。見ていていつまでたっても飽きない。名古屋の名鉄新名古屋駅も色んな電車が休む間もなく発着して、飽きなかったが、ここ広島駅前も相当に面白い。

 

ラッシュアワーを見物して面白いとは不謹慎な話だが、中国地方の中心都市の活力を見せてもらった思いだ。

▲安ホテルの窓から。

▲広島駅前の電車乗り場。

▲狭い道路上にある小網町電停。

8時半を過ぎて、だいぶ人の流れも少なくなってきた。珍しく2両連結の西広島行電車が来たので乗ってみる。2台の電車をそれぞれ片方の運転台を撤去して貫通路をつけて2両連結にしたようだ。

 

小網町で電車を降りる。ここは狭い道路に線路が敷かれているので、安全地帯が設置できず、停留所も道路にペイントされただけである。それでも3両連結の宮島線電車が通り抜けるので、ちょっとした見所のようなところ。

広島駅行の5両連結のグリーンムーバがやってきて、道路上から直接乗車する。低床電車なのでステップは無い。電車に乗るというより、台車に乗っかるという感じがした。

 

広島駅に戻ってくると、9時半。11:00発の広島空港行きリムジンバスに乗る予定なのでもうどこへも行けない。

広島駅の駅ビルでもう一度お好み焼きを食べておこうと思ったが、駅ビル『アッセ』にあるお好み焼き屋はどこも11時開店だった。

 

地下の食料品売り場はすでに開いていたので、広島の食材を求めて買物に行く。『牡蠣醤油』や『カープソース』などを買う。

 

地下の食料品売り場にある『へんくつや』というお好み焼き屋はすでに開いていたので、ここに入る。食べたのは『そば卵肉入り』。この店は朝9時から営業しているようだ。カウンターの所に「鉄板から直接食べるのはお断りします」と貼紙がしてあった。広島のお好み焼きは、店員が調理して皿に載せて運んでくるので、一人でも気軽に食べることができる。

▲広島駅正面。

▲広島駅地下のお好み焼き屋。

▲『へんくつや』の『そば卵肉入り』お好み焼き。

コインロッカーで荷物を出し、地下道を通り新幹線口の方にまわる。広島駅の裏側は山なのでこちら側は何も無い。新幹線口の方にも土産屋がたくさん並んでいる。昨日入った『みっちゃん』もここで営業していた。

 

広島空港は市内から遠くはなれた山の中にあり、何でこんな離れたところにつくったのだろうか。空港までのアクセスはバスしかなく、駅から空港まで直行便でも所要時間45分。運賃は1300円もする。1本早めの10:40発のバスがあったのでこれに乗ることにする。

 

札幌まで 

広島駅新幹線口  10:40 → 11:28  広島空港(広電バス)

広島空港行リムジンバスはわずか数人の客を乗せて広島駅を発車する。このバスは直行便なので、このまままっすぐ広島空港へと向かう。どこをどう通っているのかわからないが、バスは広島市内の道を順調に走る。

山々の斜面に新しい住宅地が続く。広島は路面電車の走る大田川のデルタ地帯が唯一の平地で、新しい市街地は山を崩して拡がっている。

バスは広島東ICから山陽自動車道に入る。広島空港に近い河内ICまでは38km。遠いこと。それでも道路も空いていて所要48分のところ37分で空港に着いた。

空港の広い駐車場には車がびっしりと停まっている。広島市内から遠いので車で空港へ行く人も多そうだ。

 

空港のコンコースで搭乗手続きをして、カウンターに荷物を預ける。今は預ける手荷物もX線検査を受けるので面倒だ。荷物を預けてしまえば身軽となり、空港内をあちこち見てまわる。

▲広島空港へのリムジンバス。

▲市内から広島空港まで遠いこと。

▲みやげ物屋の並ぶ空港内。閑散としていた。

広いコンコースにはまばらに人がいるだけ。売店もたくさん並んでいるがどの店も客はほとんどいない。2階のレストランも昼時だというのに閑散としている。ここにもお好み焼きの『みっちゃん』が出店していて、勢力を拡大している店のようだ。テイクアウトもしているのでお土産に買って持っていっても良いが、もうさんざん食べたのでやめておく。

広島(広島空港) 12:30  →  14:25 札幌(新千歳空港) 飛行機(ANA791便)

出発口のセキュリティゲートでまたX線検査。これだけは毎回苦手だ。別に怪しいものを持っているわけではないのだが、引っかかるとどうしようとビクビクしているのである。幸い何事も無く無事通過する。

 

12:10に搭乗ゲートが開く。飛行機に乗るのはほぼ1年ぶり。去年の今時期ロシアのサハリンに行った時に片道プロペラ機に乗って以来で、国内線では2年前に沖縄に行った時以来である。1年に1回乗っているわけで、意外と飛行機にも乗っていたんだなあと思い返す。

▲広島空港のパタパタ式の時刻表。

▲札幌行の搭乗ゲート。

指定された席は24K。窓側の席なのだがなんと翼の上だったので残念。機内は空席が目立ち、座席が半分くらい埋まる程度。広島から北海道旅行という人が多いようだ。

 

12:25に動き出す。12:30に滑走路へ出て離陸する。シートベルト着用のランプが消えると機長のアナウンスがある。「現在4万mの上空を順調に上昇中で天候は安定しております」「新潟上空は13:12、青森上空は13:42通過予定です」。

 

翼が邪魔で空からの眺めも見られないし、機内サービスのコーヒーを飲みながら旅行中のメモを整理する。水平飛行中はデジカメ使用OKなので、窓から外の景色を撮影すると1GBのメモリースティックを全て使い切った。

▲飛行中の窓から。

▲広島から乗ってきた飛行機。新千歳空港。

13:25に「佐渡ヶ島の上空です」との案内があるがここからは見ることが出来ない。日本海上空を飛んでいるようで、翼の脇から新潟か庄内あたりの海岸線が見える。数日前にはこの海岸沿いの地面を各駅停車で進んでいたわけだ。

 

前方に北海道の島影が、日高山脈が見えてくる。ふたたびベルト着用のランプが点く。飛行機は長沼の上空を旋回して千歳市内の上空を通過し、新千歳空港の滑走路に着陸すると、物凄い音をたててエンジン逆噴射で減速する。14:20飛行機は千歳空港に着く。手荷物を受け取り、外に出たのは14:35だった。

▲秋風吹く新千歳空港に到着。

 

札幌を出発したのは9月3日土曜日で、今日は9月9日金曜日。1週間ぶりに北海道に帰ってきた。出発したときはまだ夏の名残があった気がしたが、いつのまにか季節も変わっていて、この青い空と澄んだ空気はもう秋のものだ。

 

新千歳空港からは円山公園行のバスに乗る。自宅近くの停留所でバスを降りて、帰り道の見慣れた街中に立つと旅はあっけなく終わり。

 

来週の月曜日からは嫌でも現実に戻される。しかし終着駅に着いた列車は始発駅として出発するように、旅の終わりは新たな旅の始まりでもある。今度はどこを旅しようか。

 

<青春18きっぷ旅行記 2005   完>

 

< 第10章 広島市内と広電

 

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