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青春18きっぷ旅行記 2005年 〜 札幌発広島行

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第1章 札幌―函館―青森 (9月3日)

 

はじめに

 

▲巨大駅ビルになった札幌駅から旅立つ。

▲西改札横のSLのからくり時計

今回の旅の目的はいまひとつはっきりしない。もとはと言えば、9月のあたまに一週間の夏休みが取れたこと、2ヵ月前に9月9日発ANA広島→札幌の超割(バーゲン)13600円の航空券が手に入ったことに始まる。何で広島かというと、空席のある便で一番遠いところが広島発だったのだ。もちろん行きの片道は鉄道を利用するつもりであったので、帰りの券だけ買っておいた。

 

広島まで行きはどうしようかと色々考えたが、普通に特急や新幹線を乗り継いでいけば、超割航空券の3倍ちかくの値段になってしまうので馬鹿らしい。本州まで行くのに『トワイライトエクスプレス』や『北斗星』があるが、どちらも何度も乗ったから、わざわざ高いお金払ってまで乗りたいとは思わなかった。そこで『青春18きっぷ』の登場である。

 

世の中には『青春18きっぷ』愛用者が多くいる。『青春18族』とか『青春18キッパー』などと呼ばれる。夏休みなどのシーズンは、各地の夜行快速列車は彼らで毎晩大盛況だ。

値段は11500円。年齢制限等無し。全国のJRが普通・快速列車のみ乗り放題。1枚で5回分使用でき、1回分で1日間使用できる。改札口で日付入りスタンプを押してもらえば、その日午前0時を過ぎた駅まで有効となる。 

▲青春18きっぷ。これ1枚で広島まで行く。

この切符のおもしろさは、使い方次第では1回分で1000kmもの距離を移動できたりするところだ。1回分の有効が午前0時からの24時間で、利用できるのが普通列車のみという制約に縛られる。様々な裏技を駆使して時刻表で行程を組み立てて行くのは、相当な時刻表マニアでなければ無理だろう。この切符の様々な奥義、裏技、使い方いろいろがインターネット上でも公開されている。

 

青春18きっぷを持って制約に縛られながら、時刻表を駆使して旅するのは、ある意味「究極の鉄道旅行」ともいえる。

 

特急車両で旅立ち

1回目 9月3日 

JR北海道 札幌駅

札幌  1325 → 1354 千歳 快速〔エアポート132号〕

苫小牧 1433 → 1536 東室蘭 室蘭本線・普通

9月3日(土)の昼に札幌駅に行く。この駅は2003年に新しくなってからは、どうも広すぎて苦手になってしまった。列車の時刻まで時間があるので、駅の中をいろいろ見てまわる。札幌人なのに駅の中を観光客のように見物する。駅に入っている数々のテナントは来るたびに別の店に変わっているような気がするのだが、気のせいか。

▲通路にある妙なオブジェ。

▲特急スーパーホワイトアローは札幌から快速エアポートとなる。

▲快速なのがもったいないくらい快適。

西改札口で9月3日の改札印を押してもらい、ホームに上がる。エアポートの案内札の下には長い列ができている。二本のワイヤに掛けられた様々な列車案内札がずらりと並んでいるのは、札幌駅独特だなと思う。特急の編成は、増結などでしょっちゅう変わるので、係りの人が手作業で掛け替えているのだ。

 

札幌発の第一走者は快速『エアポート132号』で、旭川始発の新千歳空港行。もとは特急なので乗り心地は大変良い。この列車で空港へ行って飛行機に乗れば、今回の旅の最終地である広島には今日の夕方に着く。私は大きなバッグを持っているし、たぶん隣に座っている人も新千歳空港まで行く飛行機の客だと思ってただろう。しかし千歳で降りて、ホームの向かい側に既に停車していた苫小牧行に乗換える。苫小牧行は予想していた通り車内はロングシートで、座席は半分ほど埋まっている。

千歳  1358 → 1426 苫小牧 千歳線・普通

 

 

▲苫小牧からは赤い電車。

▲車内は急行列車仕様。

 

▲東室蘭に到着。

苫小牧で東室蘭行に乗換え。跨線橋を渡って4番線ホームに行くと、赤い電車が既に停まっていた。札幌近郊ではほとんど見ることのなくなった車両だが、苫小牧・室蘭間ではまだ主力として走っている。

3両編成で、ボックス席は全て埋まっていたので、車端部のロングシートに座る。冷房はなく、天井でJNRマーク入り扇風機が首を振りながら回っている。

苫小牧を発車すると、各駅でパラパラと乗降がある。降りる客ばかりだと思っていたが、意外と途中の駅で乗ってくる人もいる。白老で半分くらいが下車。空いたボックスがあったのでそちらに移る。

 

内浦湾の列車といかめし、ラッキーピエロ

東室蘭 1600 → 1756 長万部 室蘭本線・普通

長万部行は2両編成。うち後ろの1両は途中の豊浦で切り離しとなる。車内は昔ながらの青いボックスシートが並ぶ。各ボックスに1〜2人といった乗り具合。列車はワンマン運転なので、1両目の前の扉しか開かない。

 

伊達紋別では半分くらいが降りる。ここでしばらく停車して、下り貨物列車とすれ違い、上り『スーパー北斗』に抜かれる。洞爺でも貨物列車とすれ違った。次の豊浦では2両目を切り離す。残った客は10人程。このあたりはトンネルが多いが、時々内浦湾の海岸沿いを走る。

 

 

▲海がせまる北舟岡駅。対岸には駒ケ岳がうっすらと見える。

▲西日が映える内浦湾沿いをのんびりと。

 

長万部 1802 → 2107 函館  函館本線・普通

長万部の乗り継ぎ時間は6分。函館行の列車は降りたホーム向かい側に停まっていた。今度は1両のみ。青春18旅行者らしい数人が乗りかえる。開いた窓から冷たい風が入ってくる。さすがに9月で、朝晩はかなり涼しくなった。内浦湾の荒涼とした淋しい浜が続く。がら空きの車内と夕暮れなのでますます最果て感が漂ってくる。

 

▲旭浜駅周辺は何も無い。原野の中にホームだけがある。

▲かにめしで有名な長万部。普通列車は全てここで乗換。

去年の今時期、ロシアのサハリンを旅したとき、列車でオホーツク海沿いを夕暮れに通ったが、こんな感じだったと思い出す。

八雲に着くころにはすっかり日は暮れた。八雲では十数人が乗ってきて少し賑やかになるが、駅ごとに降りていって、森ではまたもとのがら空きに戻ってしまった。

 

森では19分停車となる。何か無いかと跨線橋を渡り改札を出ると、キヨスクがまだ開いていた。なんと『いかめし』を売っていたので1箱買う。こんな時間までキヨスクが営業しているとは思わなかった。手にしたいかめしは温かく、作りたてのようだ。最終の札幌行きスーパー北斗に積み込むのだろうか。

 

車内に戻り、さっそく箱を開ける。うれしいことに経木の容器と紙のラベルで、これは駅弁の王道である。

いかめしは、車内で食べるには不適当だと思う。小ぶりとはいえ1ハイまるごと詰めてあるので、手づかみでかぶりつくほかはなく、手がベタベタになる。やっぱり「デパ弁」なのだろう。割り箸を持ってくればよかった。

道内でも数々いかめしが売っているが、やはり森駅のいかめしが素朴で1番おいしい。食べ終わると列車が動き出した。

▲函館行の行先標。

▲普通列車は森で長時間停車が多い。

▲森駅いかめしはキヨスクで売っている。

▲停車時間に買ってきたいかめし。

▲経木の箱に小ぶりなイカが2個入る。

▲無人の小駅にもこまめに停まって。駒ケ岳駅

大沼公園を過ぎ、仁山のあたりで一瞬函館の夜景が広がる。渡島大野では停車中に上野行『カシオペア』が追い抜いていった。途中乗ってくる人も少なく、列車は函館に到着した。

新しくなった函館駅のホームは頭端式になっており、ホームの端から改札口まで水平な通路で結ばれている。階段の上り下りがない反面、特急の10号車などになるとホームの端から端まで200m以上も歩かねばならない。

 

駅前には市電が走っていて、夜のさびれた駅前に時おり花を添えたように現れる。

▲駅前もすっかり整備された函館駅。

▲函館は路面電車が走る。夜景とよく似合う。

次の列車の乗り継ぎまで2時間。駅前のデパートの裏にある『ラッキーピエロ』に入る。函館市内のみに展開するハンバーガーショップで、地元では根強い人気がある。レジで『ラッキーロコモコ』と『チャイニーズチキンバーガー』を注文する。つくり置きはしないのか、席に着いてしばらく待つ。

ラッキーロコモコは馬鹿でかい深皿にご飯が盛られて、ソースのたっぷりかかったハンバーグと目玉焼きがのる。まわりにはオニオンフライをちりばめている。そしてチャイニーズチキンバーガーは、甘酢をからめた鶏の唐揚げをパンに挟んだもの。カリッとした感触とジューシーな脂がたまらない。どちらも単品でもボリュームがあるがおいしくて全部食べる。

▲函館のハンバーガーショップ『ラッキーピエロ』

▲『ラッキーロコモコ』ご飯の上にはハンバーグと目玉焼き。

 

▲『チャイニーズチキンバーガー』これもラッキーピエロで。

▲ラッキーピエロ店内はアールデコ調。

▲木古内行最終列車に乗る。

▲函館フェリーターミナルまでは徒歩で。

 

津軽海峡はフェリーで渡る

函館 2306 → 2316 七重浜 普通

函館港 030 → 420 青森港 船(東日本フェリー)

さて、本日の最終ランナーは木古内行で江差線の最終列車となる。1両で車内は十数人ほど、空いているのは土曜日だからか。五稜郭でも10人程乗ってくる。その次の七重浜で運転士に18きっぷを見せて下車する。一緒に降りたのは地元の数人。真っ暗な道を歩くこと15分で函館港フェリーターミナルに着く。

 

申込書に名前などを書き込んで窓口で乗船券を買う。出港まであと1時間近くある。ターミナルは割りと立派で、こんな時間でも売店は結構充実しているし食堂も営業していた。シーズンは人でいっぱいになるのだろうが、さすがにこの時期で、深夜便ということもあり閑散としている。

 

0時10分ごろ乗船開始となる。船までは歩いて行き、ここで乗船券を渡して車両甲板から乗船する。カーペット敷きの2等客室船内はがら空き。どこでも好きなところで横になれる。毛布は有料で貸し出ししているが、必要あるまい。枕を出してきて横になるとすぐに眠ってしまった。

▲売店が充実したフェリーターミナル。

▲電光表示の出航案内。

▲フェリーのデッキから。

4時、船内に音楽が流れ目が覚める。4時10分に下船の案内放送が始まる。もう少し寝ていたいが、起きる。4時20分、少し早めに青森港に着岸する。車が先に下船するのでしばらく待つ。それでも10分ほどで下船できた。

 

青森港フェリーターミナルにはタクシーも常駐するが、駅まで歩いて30〜40分。このくらいなら歩く。ターミナルを出た時はまだ夜明け前だったが、歩いているうちにだんだん明るくなってくる。30分ちょっとで青森駅西口へ。

あれ、駅はまだ開いていない。西口の営業時間は5時30分からとなっていた。横に跨線橋があったので、渡って駅正面の方に出る。こっちの方はすでに開いていた。フェリーターミナルで30分ほど時間をつぶしていた方が良かったかもしれない。

▲2等客室の様子。空いていて快適。

▲青森港に到着。乗船下船は車両甲板から。

▲青森駅西口はまだ開いてなかった。

 

 

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