阪急交通社

 ゆいレールと初夏の沖縄を訪ねて

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3,渡名喜島を歩く 


渡名喜島(となきじま)

 

【所在地】 沖縄県島尻郡渡名喜村

 

【人口】 483人(沖縄県で最少)

 

【地勢】 那覇の北西58キロにある。北に粟国島、南に慶良間諸島、西に久米島を望む。

 

【交通】 交通は那覇泊港から久米商船のフェリーが1日1便(3〜11月のみ金土は那覇行が2便となる)

島内の交通は、バス・タクシ・レンタカー・レンタサイクル等は無いので歩くしかない。

 

 ● 昔ながらの琉球の家々

 

さて、どこへ行こうか。とりあえず島の反対側の浜まで行ってみようと歩き出す。集落の道は白砂が敷き詰められていて、道の両脇にはフク木の高い垣根が続いている。緑濃いフク木の間から赤瓦屋根の古い民家、そして澄んだ青空。ああ、ここは沖縄だ。この集落は国の重要伝統的建造物保存地区に選定されている。

掃き清められた白砂の道は歩く人もいなく静まりかえっている。背の高いフク木に囲まれて木陰になっている道は涼しい。木陰の道を抜けて港と反対側の東(あがり)浜に出る。ここもやはり人影は無い。白砂の海岸は引き潮で、沖の防波堤のところまで干上がっている。

 

▲村内はフク木の垣根と白砂の道が続く。

▲背の高いフク木に囲まれた古い家並。

 

 

▲門柱のシーサー。

▲村はずれの風景は荒涼としている。

▲島内あちこちにある「ハブに注意」の看板。

 

東浜近くから山を登る階段があり、上にはあずま屋らしいものが見えたので階段を登ってみる。階段を登って山の中腹あたりにさっき見えたあずま屋があり、ちょっとした展望台になっていた。

ここから、濃い緑のフク木に囲まれた島の集落がほぼ一望できる。あずま屋のテーブルにはこんな一文が…

 

夕日に向いて

この丘から

一人の愛を

誓い 祈れば

必ず 願いは

かなう

 

マリンブルーの海も美しいが、ここから見える夕日はさぞかし美しいのだろう。

 

▲里遺跡の祠。

▲里から見た集落全景。

▲東(あがり)浜を見下ろす。

 

階段はさらに上まで続いていて、NTTのアンテナの横を通り一番上まで登ると小さな祠があった。看板には「渡名喜里遺跡」とある。「『里殿』『ヌル殿内』の拝殿があり、島内随一の信仰地であります」と説明文があり、古くから島の神聖な場所のようだ。よく分からないがとりあえずお参りしておく。ちなみにこの場所は、国土地理院の地形図ではなぜか神社の記号で載っている。

 

▲引き潮で干上がった海岸と海底ケーブル。

▲石灰岩が露出して荒々しい。

▲白砂が美しい呼子(ユブク)浜の海岸。

 


 ● 島を一周する

 

下に降りて今度は西側の海岸まで歩く。集落を抜け、港を過ぎると道路は岩肌が露出した荒々しい山裾に沿って道路が続いている。眼に入るのはコンクリートの道路と白い石灰岩の山肌、干上がった海岸ばかり。日を遮るものは何も無く、とにかく暑い。

そびえ立つゴミ焼却場の前を過ぎたあたりからきれいな砂浜が広がる。海岸の岩に腰かけて一休み。海岸には人っ子一人いない。足元の白砂は、砂というよりサンゴのかけらである。波は穏やかだが、すこし沖のサンゴ礁から外海になるあたりは白波が立っていた。

 

▲沖合にぽっかりと浮かぶ無人島の入砂島。

▲水平線の彼方に浮かぶ慶良間諸島。

 

西側の海岸から東浜まで島の南側を1周する道路が通じている。どうせ帰りの船まで時間はたっぷりあるし、ほかに行くところも無いので島を1周してこようと山道を登ってゆく。クネクネと曲がりくねる細い舗装道路を登って行くと、山の上に展望台があったのでそこでまた休憩。

那覇で買ってきた生ぬるいさんぴん茶を飲みながらサーターアンダギーをほうばる。人工物は何も見えない。展望台のベンチに腰かけて、どこまでも青い海と遠い島影を見ていると、一国の王様になったような気分になってきた。

 

この島の山や海 そして集落風致には

沢山の数々の思い出がある

   寄る年並みに 里心 増さてィ

   眺めてィん 飽きらん 我が生まり島

   変わるなよ 姿 幾代までィん

 

       幾世代にも渡たり そこに住み 働き

        支え合っている 村民が大きく

         躍動することを祈り 願います     (展望台の壁面にあった一文)

 

▲渡名喜園地の展望台。

▲展望台には望遠鏡(無料)もある。

▲なんとなく記念写真。

 

▲枯れた木立がよく目に付く。

▲現れては消える飛行機雲。

▲軽トラックが追い抜いて行った。

 

海を眺めながらボーっとしていた。屋根の日陰に腰かけて風に吹かれているといつの間にか汗が乾いていた。フェリーの時間さえ気にしなければ日暮れまでずっと居たいくらいここが気に入ってしまった。

 

再びさっきの道に戻り、今度は東浜の方に下って行く。

山の斜面は草や背の低い木が地肌をおおっているだけで、所々に枯れた木立が目立つ。視界をさえぎるものは少ないので、道を歩きながら東浜の海が一望できる。島の上空はジェット機の航空路となっているのか、飛行機雲が次々と現れては消えてゆく。下まで降りてきたが、村の集落以外には人家はまったく無く、無人島のように荒地ばかりで、さいはて感も漂っている。このあたりの風景だけは、真夏の北海道の原野を歩いているのと変わりない。

▲東(あがり)浜の風景。人もいなくて静かであった。

▲村人の“指定席”なのだろうか。

 

 島の南側を一周して再び集落まで戻ってきた。相変わらず誰もいない。潮がさらに引いて、東浜の海岸は干潟のようになっていた。ここは海水浴場になっているらしいが、泳いでいる人はいない。

 

 2,那覇→那覇泊港→渡名喜島 

4,渡名喜島→那覇 

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