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さようなら、夜行オホーツク&ふるさと銀河線の旅

第4章 池田まで ―帯広を歩く    2006年2月19日

 

 

帯広駅は、まだ地平駅時代だった頃に何回か降りたことはあるが、高架になって新しくなってからは初めて降りる。ホームからエスカレーターで降りると、自動改札機が並んでいる。持っている切符は自動改札は通れないので窓口で切符を見せると半券をもぎ取られる。

 

昔、オベリベリと呼ばれていた帯広の地に、依田勉三が晩成社社員を引き連れて入植したのは明治時代のこと。旱魃や冷害、何もかも焼き尽くす野火やバッタの大群に全てを食いつくされ、晩成社は最初からつまずいてしまう。社員が次々と脱落し、依田勉三は孤立するも開拓への情熱は その後、この地に最も合う作物を次々に発見し、寒冷地での稲作や酪農も成功する。しかし、すべてが借金返済にあてられ、最後晩成社には何も残らなかったという。

▲帯広に到着した快速「銀河」号。

▲新しくなった帯広駅正面。

外に出ると、さすが帯広。豚丼の匂いが漂っている。駅前広場は整備されて広々としている。前の駅やホームの反対側に高架線が建設されるので、駅が新しくなると街からは遠ざかってしまうのはどこも同じ。広場の片隅に昔の駅舎の正面にあったモニュメントがひっそりと立っていた。

昼近くなのでそろそろ食事をしようと思うのだが、帯広と言えばやはり豚丼。と言いたいが、しかし豚丼は今ではすっかりメジャーになり、札幌でもあちこちで食べられるので、また今度の機会と言うことで…。

帯広の食べ物は豚丼以外には何があるか調べてきたら、「インデアン」というカレー屋の存在を知った。「インデアン」は帯広を中心に十勝地方のみに展開するカレー屋さんである。カレー自体は別に珍しくもなんともないが、道内はカレー専門店(スープカレー除く)が少ないので、これは行ってみなくては。

 

場所も調べてきた。早速、駅の南側にある長崎屋の2階へと向かう。あった。ファーストフードコーナーの一角に「インデアン」を見つける。メニューは、本当に純粋なカレー屋で、「インデアン(普通のカレー)」「カツカレー」「野菜カレー」など。値段も安くて「インデアン」が399円。ルーのみの販売もしているらしい。今流行のスープカレーが無いのも気に入った。(自分はスープカレーが嫌い)

セルフサービス方式でレジで注文してお金を払う。カレーはさらにご飯を盛ってカレーをかけるだけだからすぐに出てくる。カレーが出るまでの待ち時間が長いほど、味は落ちると思っている。

 

さてお味はと。一口目の印象はかなり甘口。ルー自体も妙にねっとりとしている。甘いけど辛さはちょうど良い。肉もゴロンと入っていて、おいしいですよ、これは。

帯広に行ったら豚丼もいいけど、「インデアン」のカレーもぜひおすすめします。

▲帯広の中心部も人影まばらで寂しい。

▲帯広限定のカレー店「インデアン」。

▲インデアンカレー。

次の北見行きは1354発でまだたっぷり時間がある。駅の中を通り抜けて今度は北側の町中心部のほうへ歩いてみる。駅前にある豚丼の有名店では昼時の日曜ということもあってか、外まで行列が出来ている。

さすがに帯広は雪が少ない。これでも例年よりは多いのかもしれないが、さっき列車の窓から見たら、あちこち地面の露出しているところもあった。天気が良く気温も上がって雪が解け、まるで春のような陽気に思える。

 

駅の正面から伸びる道路を歩いて行く。藤丸デパートの前まで来た。駅からここまでが繁華街になっているようだ。十勝地方の中心都市で日曜なのだが、道を歩く人は少ない。地方都市の中心部の現状はこんなものだ。

 

――帯広は淋しい町であった。一本筋の広い大通りに風が冷たかった。

伊代は街の中央にある小さい百貨店へ松子と云う朋輩と一緒に連れられて行った。

眉の濃い眼の深い女を見ると伊代はドキリとした。

林芙美子『帯広まで』より

▲帯広駅はホーム別に改札がある。

▲銀河線の車体の小ささが目立つ。

駅の近くをうろうろと歩き回り、再び帯広駅に戻る。街中は人影が少なかったが、駅の中は人が多い。駅の中にはテナントが多数入っていて、エスタという名前がついている。豚丼屋もあった。さっき「インデアン」でカレーを食べたが、なんか物足りない。北見までまた3時間の旅で、しかも途中で食べ物を入手する機会はまず無いであろう。帯広で何か買ってから列車に乗ろうと駅弁屋やキヨスクをのぞいてみる。

 

駅の中にパン屋があったので、そこでパンを買うことにした。「ボヌールマスヤ」という店で、ここも帯広に何店舗かある店らしい。ピーナツクリームパンとあんパンが90円と白スパサンドが125円。安い、しかもパンが普通のパン屋のより一回り大きい。

 

北見行の改札が始まったので、改札口に向かう。改札が変わった作りになっていて、ホームごとに改札が別になっている。隣のホームに移るためには一旦改札を出なければならない。札幌の地下鉄でもこのような構造になっている駅がある。ワンマン列車対策だろうか。

 

ホームに出ると銀河線の列車がすでに停まっている。2両編成で、先頭の車両が池田行となっている。銀河線の車内は混んでいて、前の池田行の車両に乗る。こっちは空いているので、池田に着いたら後ろの車両に乗り移ればよい。車内は各ボックスに1人埋まる程度。青いボックスが並び、天井からJNRのマークのついた扇風機がぶら下がる。

▲青いボックスの並ぶ池田行の車内。

▲帯広駅「ボヌールマスヤ」で買ったパン。

▲ボリュームがある「白スパサンド」。

さっき買ったマスヤのパンを食べてみる。白スパサンドは、スパゲテイを細かく刻んだサラダがたっぷりと挟んであってずっしりとしている。軽い昼食ならばこれ1つで物足りそうだ。ピーナツクリームパンのほうは、ピーナツ風味のカスタードクリームがこれもたくさん入っている。ピーナツ風味というより、池田の「バナナ饅頭」と風味が似ているような気がするが、私だけでしょうか。おいしくてあんパンも食べてしまう。すっかりおなか一杯になってしまった。おいしい食べ物がイッパイあって、帯広はなんて素敵な町。

 

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