HOME鉄道旅行記その1 その2

ふらりと春の道東をたずねて

その1


 

● 季節はずれの流氷を見る

 

 知床斜里駅では3分停車。高校生が多く乗ってくる。突然発泡スチロールの箱を持った男性が車内に入ってきた。

「知床斜里駅売店の車内販売でございまーす」             

「アイスクリームや野菜ジュース、シュークリームなどはいかがでしょうか」

と車内をまわる。乗客は学生ばかりなので相手にされてないようだった。腹が空いているし珍しいので自分の席のところにきたとき呼び止めてみた。弁当や腹の足しになるものは無いようだ。200円のシュークリームを1つ買う。

 

▲リニューアルされた知床斜里駅。

▲知床斜里駅の車内販売で買ったシュークリーム。

 

知床斜里からはオホーツク海岸沿いをゆく。海岸には季節はずれの流氷が来ていた。離れていた流氷が、数日前の大荒れの天気でまた接岸したものだろう。天気はずっとみぞれ。重苦しい海岸の景色が続く。

 

浜小清水からまた数人乗ってきて車内はほぼ満席状態。窓ガラスが曇ってしまった。

 

▲季節はずれの流氷が見られたオホーツク海岸。北浜付近。

▲オホーツク海が目の前の北浜駅に停車。

▲木造駅舎の鱒浦駅。

▲網走に近づくにつれ流氷も多く。

 

桂台で高校生が全員下車すると車内は数人が残るのみになった。網走の市内を高架で通り抜けて、9:18、網走駅3番線に到着。今度は9:30発の札幌行「オホーツク4号」に乗り換える。

 

▲網走駅に到着。

▲レトロな網走駅の階段。

 

1番線ホームにはすでに特急が入線している。ホームでは駅弁屋とそば屋が営業している。いったん改札を出て待合室の駅弁屋で「かにめし」を買う。キヨスクでビールも買う。

 

 

● 特急オホーツク

 

今日の「オホーツク4号」は2両増結の6両編成。自由席は一番先頭1号車と増結1号車。指定席はどの車両もがら空き。2両の自由席は半分くらいの列がふさがっているが、まだ余裕がある。

 

始発の網走駅から昼間のオホーツクに乗るのは初めてだ。

 

▲網走始発、特急「オホーツク4号」。

▲網走駅「かにめし」とクラシック「青函トンネル開業20周年記念缶」

 

見送りの人も無く、9:30になると無人のホームから発車する。さっそく缶ビールを開け駅弁を食べる。網走駅のかにめしは味付けご飯の上にほぐしたカニの身を載せている。余計な味付けはないのでカニの風味は網走のかにめしが一番ではないだろうか。

 

車内で駅弁とともに飲むビールがうまい。まさに“大人の休日”だねぇ。

 

網走を出てしばらくすると網走湖が見えてくる。まだ結氷して一面真っ白である。駅弁を食べ終わると一眠りする。

 

▲遠軽駅に到着。木造の駅舎とホーム。

▲オホーツク車内。

 

遠軽駅は立派な木造駅舎が健在で、正面側もホーム側も風格を感じる。列車の進行方向が変わるので2分間停車する。ここでは座席の方向転換をしなければならないので面倒だ。

 

山間部にさしかかるとだんだん雪深くなってくる。石北トンネルを抜けると山も木も雪で覆われて真っ白。再び冬景色に戻ってしまった。

 

上白滝・上川間は34kmあって駅間距離が日本で2番目に長い区間になっている(1番は石勝線新夕張・占冠間34.3km)。この間には奥白滝・中越・天幕と3つの駅があったが、次々に廃止となった。昔は林業が盛んでこれらの駅から木材の積み出しが多かったのだろうが、いまは無人地帯になっている。

 

寄り添う川は石狩川の支流、留辺志部川である。このあたりの車窓はいかにも大自然という感じがする。

 

▲木々も雪が覆って真っ白。

▲大自然という感じがする。

 

上川駅を出るとだんだん雪が少なくなってくる。

 

宮脇俊三は“時刻表2万キロ”で、

 

“ここから旭川までは北海道の車窓でもっともつまらない区間だと思う。土地が肥沃なため水田ばかりでサイロもない。区画の広いことのほかは内地と変わりはない”  

 

と書いている。車窓は格別の見所はないが、「オホーツク」は石北線内ではこの区間が最も快調に走る。

 

▲峠を下りて旭川付近は雪が無くなった。

▲旭川駅1番線に到着。

 

上川盆地は道内の米どころ。かつては上川百万石などと呼ばれたが、水田は減反政策で最盛期の半分くらいにまで減ったという。

平地まで来ると雪はすっかり姿を消した。

 

新旭川で宗谷本線と合流して高架線になる。石北線や宗谷線から駅前に林立するビルを見ながら旭川に着くと、毎回都会にやってきたという感じがする。

13:11に旭川到着。網走から3時間41分、何度乗ってもオホーツクは乗りごたえがある。旭川からは新型の特急「スーパーカムイ」に乗るために一旦途中下車する。

 

 

● L特急スーパーカムイ初乗車

 

旭川で乗り継ぐスーパーカムイは13:30発の30号もあるが、旧型785系の車両だったので見送ることにする。00分発新千歳空港行が新型車両で運転されることが多いが、とくに決まりは無いようで、自分の乗る列車が新型に当たるか旧型に当たるか運しだいなようだ。旧型でも所要時間は同じだし、車内もリニューアルされているので居住性はどちらも変わりない。

 

前に知人に「自分が乗った車両が新型か旧型なのかわからなかった」と言われ、「窓がブラインドなのが新型、カーテンなのが旧型」と答えておいたがあれで良かったのだろうか。

 

ホームに立ち食いそば屋があったので天ぷらそばを食べる。

改札を出て、みどりの窓口14:00発32号の特急券を買う。時間があるので駅前のデパートなどをうろついて時間をつぶす。春休みの土曜日だが人出はあまり多くない。

 

▲そこそこ賑わう駅前の買物公園。

▲駅正面のニポポ人形。

 

休日の昼過ぎなので空いていると思っていたが、発車10分くらい前に車内に入ると大体予想通りであった。

自分の通路向かいの座席は、旭山動物園帰りらしいやんちゃ坊主2人に手を焼いている夫婦連れ。やれやれ┐(´д`)┌

発車前だが車掌が回ってきて切符を確認する。

 

▲昨年(2007年)10月に登場した789系「スーパーカムイ」。

▲スーパーカムイの乗車口。

▲数少なくなったホーム上のキヨスク。

▲高架工事が進んでいる。

 

スーパーカムイの指定席は「uシート」と呼ばれ、グリーン車ほどでもないが座席の前後が広く、グレードアップな車両になっている。Sきっぷでも510円追加すれば乗れるので人気がある。

自由席にも十分空席があるので札幌までがら空きだと思ったが、発車5分前くらいから次から次へと乗ってきた。このあと深川・滝川でも乗ってきて指定席はほぼ満席に近くなる。

 

uシートの座り心地は良いが、1両の指定席は満席状態なので少々窮屈。車窓は何十回となく通った見慣れた景色。子供の泣き声に悩まされる。滝川で乗ってきた前の席のおやじは座るなりシートをリクライニングさせて眠りはじめた。

札幌着、15:20。旭川からの長い1時間20分であった。

(おわり)

2008年4月20日作成


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